ジブリ作品、『風立ちぬ』を見てきました。
宮崎氏の描く人の生き様は、まっすぐで、希望も絶望もないまぜで、深く、心にゆっくり沁み入るように、見るものの心に響いて、普段意識しないような感情をふるわせるものでした。
映画館のカードのポイントが貯まって、１本タダで見られるので、もう一回行こうか迷う今日この頃です。
でも、夏休みの映画館の人の多さはちょっと・・・(・д・)
追記はネタばれ込み感想です。
ツンデレブラコン妹ちゃんかわいい！が最初の印象ってのはどうかと思いますが、正直なところそんなものです。
眼鏡と、風と、大正から昭和という時代の世界の空気にｷｭﾝｷｭﾝした映画でした。
なんなんだあのハイスペックイケメン！タダの飛行機オタクだと思ってたのにいつからだ！いつからそんなに恋してた！恋っつーか戀だな！むしろ愛だな！？CM見てちょっと !? ってなってた部分はありますが、作中であんなにもイチャコラされるとは思ってなくて大分吃驚しましたのことよ！
・・・ふぅ。
落ち着いた所で仕切り直して感想です。
二郎さんもカッコイイですが、本庄さんもカッコいいですね！今年の大河ドラマ『八重の桜』の主人公のお兄さん役の方が中の人なわけですが、改めてええ声や・・・と思いました。
作品を見る前に、ツイッターのRTで回って来た「ホ○だった？」っていう質問の意味がわかりました。仲良過ぎですねあの二人。腰を抱えて支え合うなと。まぁRT読んでなかったら普通に見てたんでしょうけど、先入観はよくありませんな。
あと黒川氏。ちっこい割になかなか情の深いお方ですね。ツンデレなのがまたちょっとときめきポイントです。最初おぉう面倒くさそうな上司とか思ってゴメンナサイ、あなたとても良い人。
課長は課長で愉快な人ですな。面白いことを楽しめる人で、そしてちゃんと未来の事を考えて人のために動ける人でした。流石人の上に立ってる人間。
カストルプさんもなかなかにいい味の人でありました。最初のアレはクレソンだったのですね。すっげぇシャキシャキ食っててうおぉ、ベジタリアン・・・と思ったら思いの外二郎さんと絡んで来てモブじゃなかった！ってなりました。煙草のシーンも、紙ヒコーキ潰しちゃったシーンも、ピアノのシーンも好きです。カッコ可愛い人です。でもそれだけじゃない、国を想う人です。底が知れない魅力がありました。
そして、菜穂子さん。少しだけ、なんだかなぁと思わなくもない女性です。勝手に病院を抜け出して、勝手に愛してくれている人の元から去って。最後の最期まで、一緒に居ればいいじゃないか、傍で笑顔も涙も分け合えばいいじゃないかと思ってしまいました。死別が眼前にある女性の心理は、小娘にはまだ解りかねます。「美しい姿だけ見せていったのね」って、それでいいの？二郎さんは美しいから貴女を好きになったの？って。女心は難しいです。死に顔を見せたら、追って来てしまう、夢を諦めてしまうとでも思ったのでしょうか。貴女が惚れた男はその程度かばかやろう！
空に夢見て、手を伸ばして。戦争を厭うていなかったわけではないはずなのに、それよりもただ「美しい飛行機が作りたい」とひたすらに夢を追いかけて。矛盾を抱えた彼らが築いた今は、やっぱり矛盾に満ちていて、それでもやっぱりどこか欠けた美しさを孕んでいるような気がします。
入場者へ、鈴木プロデューサーの字で「どういう内容だったのか教えてください」というカードが配られました。
私にとっての『風立ちぬ』はどんな内容だったのでしょう。
今までのジブリ作品は大概子どもが主人公で、冒険や経験を経て成長していくことが多いですが、二郎さんは最初から最後まで二郎さんで、変化も成長もしているけれど、彼の中の芯は最初から最後までブレることなく彼の中にあって、人が自分の一生を生きるということを考えさせられた気がします。
夢をひたすら追いかけること。
与えられた時間を精一杯生きること。
力を尽くして生きる10年。
社会人になって数ヶ月。私の力を尽くして生きる10年はどのあたりでしょう。そろそろ始まっても良い気もします。
だらだらと呼吸を続けるのではなく、「生きろ」と言っているような作品だと思いました。
